【Tタッチワンド】
馬とTタッチワークする際に
様々な道具を使います。
Tタッチリードや長いロープ、
体に巻くバンテージやワンド等々……
もし私が、その中でひとつだけ
選ぶとしたら「ワンド」を
手に取るでしょう。
ワンドはドレサージュ用の白い長鞭で
普通の長鞭より少し長く硬さもあります。
ワンドは、馬の体をストロークしたり、
褒めるときに優しく撫でたり、
方向を指し示したり、合図を送ったり……
といった使い方をします。
咬む、蹴るなど高い反応性を
見せる馬とワークするときも
ワンドは心強い道具です。
手で触れることは出来ない馬も
ワンドは受け入れることが多いのです。
体をストロークすることで
全身の感覚や意識を再認識したり
リーディング時に明確で優しい
合図を伝えることもできます。
馬とTタッチのワークを重ねるほどに
ワンドの素晴らしさを実感しています。
「鞭」という言葉を聞くと私たちは
痛みなどネガティブな連想しますが
まるで魔法の杖(ワンド)のような
優しくパワフルなこのツール。
呼び方を変えるだけで私たちの
意識まで変わるのもまた
ワンドの効果かも知れません(笑)
※馬のTタッチ、セッションモニター(無料)募集中です。
お気軽にお問い合わせください。
馬のTタッチ練習会を開催しました。
当日は、Tタッチプラクティショナーコース受講者から馬のオーナさん、馬のケアをしている方、乗馬クラブにお勤めの方等々、様々な方がご参加くださいました。
Tタッチには様々なツールがあります。
これは、ボディラップといって
伸縮性のあるバンテージです。
体に意識を持たせたり
集中を高めたり
効果的に体を使うサポート等
様々な効果があります。
写真はフィギュア8ラップ。
姿勢や歩様が変わります。
頭部に巻くヘッドラップ。
リードロープを咬む癖があり
ヘッドラップを巻いてみました。
落ち着きがない、頭絡付けが
難しいといった馬にも効果的です。
※他にも様々な効果があります
Tタッチリードを使ってリーディングや
グラウンドワークをします。
Tタッチリードを使うことで
馬とのコミュニケーションが
より明確になります。
白い長鞭はとても大切な
Tタッチツールの「ワンド」です。
手の延長として使ったり
方向を示したり、馬に合図を
送ったりします。
ビーラインというリーディング
方法でのグラウンドワーク。
馬のバランスや自信を育み
同時にハンドラーが力で
コントロールする意識を
手放すことができます。
人馬双方にたくさんの気づきを
もたらします。
テーミング・ザ・タイガー。
馬がその場で静かにバランスを
もって立つことを学びます。
獣医師の診察、装丁師の作業を
受けるのにも役立ちます。
お天気にも恵まれて
楽しく学び多い一日となりました。
ご参加くださった皆さま
ワークをご一緒してくれた
お馬さんたち
ありがとうございました。
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シロちゃんの跛行の経過です。
2022年末からTタッチを始めて
数回のセッションでずいぶんと
改善がみられました。
後脚に意識が戻り
外転もかなり改善して
後駆が安定してきました。
全体的にバランスが整い
何よりシロちゃんの
表情が変わりました。
ワークは
全身へのTタッチ
ボディーラップ
グラウンドワーク
をフィードバックを
見ながら行いました。
跛行は一年以上続いているので
必要な時間をかけて
自然と回復していくのが
望ましいですが
少しのサポートで
動物が自らバランスを取り戻す
潜在能力の凄さをシロちゃんが
見せてくれて私も驚いています。
大型動物は身体機能の低下で
難しい選択をせざるを得ない
時がありますが
シロちゃんのケースが
新たな選択肢を見せて
くれていると感じます。
また経過をご報告しますね。
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Tタッチさせていただいている
「コミュニティーガーデン森馬」さん。
昨年、養老馬支援を目的に
埼玉県東松山市にオープンしました。
写真のお馬さんはこの場所を
作るきっかけとなった「シロちゃん」
シロちゃんは推定で20歳過ぎ。
2021年の秋、放牧中に急に
後肢にふらつきがでたとのこと。
これまでのお仕事ができなくなった
から「出す」という考えにはなれず
この場所を開く計画が進められたそうです。
コミュニティーガーデン森馬
https://www.instagram.com/comigamoriva/
*** *** ***
そのシロちゃんに昨年12月末から
Tタッチのボディーワークを
させていただいているのですが
森馬さんがビフォーアフター動画を
アップしてくださったので
ご紹介させていただきます。
(オリジナル動画はInstagramなのですが、このブログには貼り付けられない形式のため、YouTubeにコピーしたものを貼っています)
今年の4月から日本で初めての
「馬のためのテリントンTタッチ
プラクティショナーコース」が
始まりました。
開催を7年間待ち続けた
待望のこのコース。
日本での開催は難しいのでは?
と思っていたので
この機会にワクワクと緊張が
入り交じる思いです。
テリントンTタッチは
動物に対して力や矯正ではなく
優しさと理解をもって向き合います。
動物の観察を行いながら
Tタッチのアプローチの中から
今どのようなサポートが最善かを
彼らのフィードバックを受け取りながら
馬と一緒にワークします。
馬はペットと異なり経済動物のため
人を乗せたり、様々な仕事をします。
そのため肉体的な負担や
昔の怪我の再発など不安要素を
抱えていることも珍しくありません。
また、過去の不適切な扱いの
体験によるトラウマから
人間との関係性に不調和が
残ったままの馬もいます。
Tタッチのワークでは
肉体的な問題から心の問題、
行動問題まで、様々なツールを
用いて馬が体と心と精神のバランスを
取り戻すサポートをします。
現在は機会があれば遠方へも
出かけて行って、馬たちと
ワークをしています。
馬が変わっていく様子は
本当にいつも多くの感動があります。
そのようなお話を今後少しずつ
ご紹介していけたらと思いますので
馬のケアにご興味おありの方や
馬や動物が好きな方に
お付き合いいただけましたら幸いです。
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【近代五種と馬術】
様々な意見が繰り広げられる中
オリンピック2020が閉会しました。
時差がないおかげで馬術競技は
馬場、障害、総合に加え
普段は馴染みのない近代五種の
馬術も見ることができました。
近代五種は全5種目を1日で行われる
そうですが、今回の大会では
1日目はフェンシング
2日目は水泳→馬術→レーザーラン
という内容で2日間に分けて開催されました。
近代五種の馬術はほかの馬術競技とは
異なり日頃から時間を共にしている
自馬との出場ではなく、抽選による
貸与馬で競うルールがあります。
そして、その馬とは競技20分前に
はじめて顔を合せます。
それはつまり、これから競技を共にする
初対面の馬と、たった20分間で
関係構築を求められることを意味します。
【東京五輪2020で起きたこと】
今大会の近代五種で、2種目を終えて
トップに立っていた選手の馬が
競技本番で何度も障害を拒否。
時間を消費して金メダルの可能性が遠のく中、
選手もコーチも馬に感情をぶつけてしまいました。
結果的にこの馬が飛越を続行することはなく
選手は馬術で失権となり、トータルで
順位を落として金メダルを手にすることは
できませんでした。
そしてこの時にコーチがとった態度が馬への
虐待とみなされ、コーチはオリンピック
開催中に出場資格を剥奪されました。
【動物の扱いと現行ルール】
近代五種は元々は5日間かけて
競うものだったようですが
オリンピック種目になったことや
放映の都合などで5種目を1日で
行うように改定されたそうです。
(東京五輪では2日間)
しかし5種目が立て続けに行われ
緊張状態が続く中で、選手はどこまで
気持ちを整えて馬と向き合うことが
できるのでしょう。
近代五種は、戦場で伝令を命じられた
将校が活躍する姿をスポーツ競技に
したもののようですから、戦場で馬を
選んだり練習する時間などないという
設定なのかもしれません。
もしもよい結果に繋がれば短時間で馬を
コントロールして勝利に結びついたことを
ドラマティックに賞賛されることになります。
しかし今回のようなことが起きてしまうと
それは馬の心身への影響だけでなく
世界中から厳しい目を向けられた選手も
心に傷を負ったことでしょう。
競技終了後も各国のメディアで取り上げられ
選手とコーチは後日、自国の動物福祉団体から
動物虐待で訴えられることとなってしまいました。
【競技のあり方と今後】
この競技が誕生した100年以上前とは
人と動物との関わりも変化し、動物福祉や
動物愛護という言葉もすでに新しいものでは
なくなりました。
競技に対する考え方やルールも時代と共に
見直されることが望ましいですし、
目の前にいる人間の精神状態を
ミラーリングすると言われる馬との競技を
現行ルールの忙しない流れの中に
組み込むことが最善の方法なのかを
競技のあり方と共に再考する必要を感じました。
今回の出来事はオリンピックという
世界中が注目する舞台で起きたわけですが
もしこれが、たとえば国内の地区予選で
起きていたら、はたしてこれほどの
議論に発展したでしょうか。
SNSでは二人への厳しい意見が相次ぎ
海外の著名人もコメントを発信するなど
さまざまな意見がいまだに見られ
この出来事の影響力を感じますが
この大舞台で起きたことの必然性を鑑みて
選手の技術や特定の誰かを責めるのではなく
この議論の熱が近代五種での馬術のあり方や
根本的なルールの見直し・改革といった
再考のエネルギーとなっていくことを
心から願っています。
先日横浜で小さな木彫りの馬を購入しました。
横浜へは馬のセラピー関係のセミナーを
受講するために出かけたのですが、
この馬はセミナー会場へ向かう途中に
ふらり立ち寄ったアジアン雑貨店で見つけました。
その雑貨店は象や蓮などがデザインされた
商品やアタ製品、セラドン焼きなどを扱っていて、
バリ島やタイの土産物店に入ったかのような感じでした。
セミナーまで少し時間があったので
店内を見回していると、なぜか木彫りの馬が。
「えっ? このショップに馬~?!」
もちろん期待せずして立ち寄ったのですが、
馬の勉強に向かう途中でしたから、
もしかしたら"馬センサー"がオンになって
引き寄せられたのかも知れません(笑)
正面顔はちょっとムーミンっぽくもあり、
愛嬌があります。
横から見るとこんな感じ。
かなり猫背で、ちょっと姿勢が気になりますね(笑)
この馬の商品名は「のんびりめがねうま」
となっていました。
どうやらメガネレストのようです。
帰って早速、手持ちのメガネを載せてみました。
このメガネは車を運転するときや、
ちょっと遠くを見る時の乱視矯正用。
いい感じで馬の顏におさまりました。
こちらはパソコン作業用。
つまり手元専用なので、
これをかけたまま遠くを見ようとすると、
つい鼻眼鏡になってしまいます。
めがねうまに乗せてみたら、
やっぱりズリズリッと!
うまくバランスが取れる点が鼻先なので、
偶然にも鼻眼鏡になってしまいます(笑)
後ろ姿です。
たてがみやしっぽもちゃんと彫られていて、
馬の背にまたがったときの首筋や
馬の温かさを思い出します。
この馬の定位置を、机に置いてある
小引き出しの上にしたのですが、
パソコン作業中にふと顏を上げると
この猫背の馬が目の前にいて、
この表情でほっこりさせてくれます。
雑貨店で手にしたとき、
「めがねうま」はわかるとして、
なぜ「のんびり」が付いているのか
不思議でしたが、家に連れ帰ってみて、
その理由がわかったような気がしています。
ドキュメンタリー映画「馬ありて」
を見ました。
シアターイメージフォーラム
という渋谷の小さな映画館で
上映されていましたが
私が観た日は上映後に
トークイベントがあり
監督のお話が聞けました。
監督の笹谷遼平氏は2013年に
北海道のばんえい競馬を皮切りに
「映画になるものとは何だろう?」
と自問しながら足かけ5年の歳月をかけて
人と馬との暮らしを撮影したそうです。
撮影の旅路は、北は北海道帯広市から
南はトカラ馬がいる鹿児島トカラ列島宝島まで。
全ての地が映画に収録されている
わけではありませんが、
日本を横断して馬を撮影するうちに
「この列島の古層の記憶、そして命を撮りたい」
と考えるようになったそうです。
映画には人と馬とが織りなす
時に厳しい側面も記録されています。
馬はいまでこそ競馬や乗馬といった
レジャーのイメージがありますが、
スクリーンに映し出される様子には
生き物の命の重さと常に隣り合わせた
両者の関わりがありました。
馬は昔、農作業や山仕事の担い手として
人間の暮らしにとって大切な存在でした。
獣医療も然りで、昔の獣医大学では
犬猫などのペットではなく
「馬牛羊豚(ばぎゅうようとん)医療の
教育に力が注がれていた」と知り合いの
獣医師が話していたことを思い出します。
トラクターなどの農業機械がなかった頃は
開墾も木材を山から運び出すのも
馬の労働があってこそ。
馬がいかに大切な存在だったかが想像できます。
機械技術が進歩して
馬を世話してエサをやり
健康管理を行うよりも、
機械にガソリンを注ぐことを
私たちは選びました。
その結果、労働力としての馬は
需要がなくなり、レジャー産業か
食肉としての馬がほぼ全てとなりました。
いまは宮崎県の御崎馬を除いて
繁殖のコントロールは人間が行っています。
つまりその命の責任は人間にあると
言っても過言ではないでしょう。
映像には帯広に唯一残る
ばんえい競馬の現状から
オシラサマで知られる
遠野の民間信仰や
馬と一つ屋根の下で暮らす
曲り家の暮らしも記録されており、
人と馬との表面的な記録ではなく
馬に依存し、馬と生存してきた
背景や文化が伝えられています。
若い頃、乗馬をきっかけに
牧場での馬との暮らしを経験し
いまはボディートークやTタッチを通して
人と動物の癒しに関わる私にとって
この映画は違った側面から人と馬について
考えるヒントとなりました。
来年の2月には、大阪、京都、名古屋で
上映されるそうです。
お近くの方は是非!
毎回楽しみにしているデビー・ポッツ先生による
馬のTタッチワークショップに参加しました。
すでに秋の恒例行事化しています。
今回も会場は那須トレーニングファームです。
今回の目標は、基本に立ち返り
「あらゆるワークの中、なぜこれを選ぶのか」
「馬にどのように作用しているか」
「馬のバランスはどうか」
Tタッチのリードとワンドでリーディング。
横木でラビリンスを組みます。
包帯のようなものは伸縮性のバンテージで
Tタッチではボディーラップと呼んでいます。
ラップの主な目的は、
体の前後を繋げたり
動物の体に意識を持たせたり etc.
「体への意識?」と思うかも知れませんが
馬は自分の体を意識できてないことが多く
結果、体をうまく使えずに運動や心身のアンバランス、
行動問題、怪我や痛みに繋がることも
少なくありません。
また、感情的な要因からくる行動問題
にもラップによるサポートは有効です。
馬の左右のバランスはどう?
止まるときに体の下に四肢がおさまっているか?
とても地味で一見分かりにくいのですが、
そのバランスを整えることが、
馬の心身や行動には大きな違いとなります。
これはテールワークです。
尾骨は頭蓋骨まで、脊椎を通して繋がっていますが、
馬のテールワークは骨格系へのアプローチだけでなく、
咬み癖など口が出やすい馬や感情の問題、
疝痛など、様々な症状や問題に効果があります。
カメラ目線バッチリなお馬さん。
乗っているのはSure Footというパッドです。
とてもシンプルな作りなのですが、
乗ってビックリ!
体内ではバランス調整が行われていて、
しばらくすると頭を下げてリラックスしたり……
どの足を、どれ位の長さ乗っているかは
全て馬に任せます。
広田龍馬さんをオフィスにお見かけして
一緒に写真を撮っていただきました。
WS開催初日にはいつもご挨拶をしてくださるのですが
「自分はお馬さん達とTタッチを続けてきた。本当にTタッチは素晴らしので、皆さんも続けてください」と素敵なお話をシェアしてくださいました。
毎回充実のTタッチワークショップ。
昼間は馬たちと、夜は仲間と楽しく過ごして、
あっという間に4日間が過ぎました。
また次回開催もすでに楽しみです。
【番外編】
笑顔のデビー先生と一緒に映っている
馬のぬいぐるみは、私が持参したものです。
まだ名前が無かったので
デビー先生に命名をお願いしたら、
間髪入れずに「Spirit」と!
スピリットとは、昔デビー先生の牧場で
生まれた仔馬の名前で、このぬいぐるみが
スピリットにそっくりだと言って
タブレットに保存してある写真を
見せてくれました。
実はスピリットは生まれてまもなく
脳に重篤な問題を抱えてしまい、
獣医師からも、ある程度以上は回復は
見込めない、と診断を受けたそうです。
しかしデビー先生は彼女を救いたい
一心であらゆることを試みて、
最後に行き着いたのがTタッチだったそうです。
愛馬スピリットを連れて参加した
9日間のTタッチWSが終わる頃には
スピリットは全く別馬になっていたそうです。
スピリットはデビー先生をTタッチの
世界に連れて行った馬。
そんな大切な名前をつけていただいて
とても嬉しく、ありがたいことです。
毎年3月と11月はデビー先生が来日されて
TタッチのセミナーやWSが開催されます。
私もこのタイミングに合わせて
一年間のスケジュールを調整しています。
地方で開催されることも多いので
私は密かにTタッチ巡業と呼んでいます(笑)
その封切りが、Tタッチの
プラクティショナーコースです。
今回で5回目となるコース参加ですが
新しいテクニックやこれまでの復習など
いつもながら学び多い6日間でした。
デビー先生とローレン先生が、
新しいツール「コネクター」の使い方を
説明しているところです。
このコネクターは優れたアイテムで
引っ張りの強い子、距離を与えた方がいい子、
小型犬など、あらゆる状況で人犬双方に
ストレスなくリーディングができます。
今回のコースでは犬の他に「鳥」「ウサギ」「フェレット」のデモセッションもありました。
写真の解像度がいまいちですが~😅💦
宿泊した部屋の前には
ドッグランが広がっています。
今回はちょっと奮発して
富士山側の部屋を予約しました。
下の写真は、部屋から見える富士山です。
5泊したので、毎朝部屋から見える富士山を
写真に収めてみました。
残念ながら最終日は曇りでした。
集合写真はコース中盤に撮影したのもです。
ずっと気になっていた映画
『今日もどこかで馬は生まれる』
を観てきました。
私たちがイメージする馬と言えば
競馬で走るサラブレッドではないでしょうか。
サラブレッドは競走馬になるために
人間の計画により交配され誕生します。
この映画は、サラブレッドの誕生(生産)から
生涯を閉じるまでのドキュメンタリー映画です。
競走馬になるために
年間約7,000頭のサラブレッドが生まれ
同数ちかい馬が食肉センターに行きます。
多くが天寿を全うする前に
生涯を終えているのが現状です。
サラブレッドの生涯に関わるのは、
生産者
育成者
馬主
騎手
調教師
厩務員
競馬関係者
競馬ファン
乗馬クラブ
屠畜(食肉センター)
養老牧場
引退馬協会……等々
関係者の多くがサラブレッドの現状に
「割り切るしかない」
「ずっと悩むしかない」
「何が一番いいか、答えはない」
と葛藤しています。
この映画が素晴らしいのは
この中の誰ひとりをも
悪者にしていないところ
ジャッジしていないところです。
馬の置かれた現状に
悲しみや憤りを感じて
原因を探して誰かを責めても
分離や対立を生むだけです。
私自身も19歳で馬と関わり始め、
ブランクを経てまたいま馬に関わっています。
経済動物と言われる馬たちは
犬猫などのペットと異なり
自分の飼育費を稼がないと
命をつなぐことが難しい生き物です。
私は昨日、乗馬クラブで元競走馬に乗り
明日はホースケアをしているクラブで
馬たちのお世話を通して馬と関わります。
彼らの幸せや生きる権利について
私自身も未だ答えに行き着いていません。
私に言えるのは
奇蹟の確率で私の前にいてくれる馬たちに
「いま目の前にいてくれてありがとう」
ということだけです。
そして自分がその時々にできることを
淡々と粛々と続けていこうと思います。
この映画は馬を思う全ての方に
ぜひ見ていただきたいです。
そして感じたことをシェアできたら
嬉しいです。
今年もデビー・ポッツ先生による
「動物への意識が変わるセミナー」が開催されます。
今回は兵庫県尼崎にて。
私も開催のコーディネートで会場におります。
Change your mind,
Change your animal.
(あなたが変われば 動物は変わる)
このセミナーで伝えられることの中で
特に強く心に残る言葉です。
私が13年前に愛犬ドルチェを迎えた頃
しつけと社会科のために
毎週パピーパーティーやトレーニングに通っていました。
当時は最善と思っていた方法で
相当の時間とエネルギーを費やし
訓練試験を目指したりもしていました。
密にドルチェと向き合っていましたから
彼女のことは理解しているつもりでいました。
しかしデビー先生との出会いは
それまで教わってきたことや
動物に対する考え方、向き合い方を
一から見直すきっかけとなりました。
もちろんそれまで正しいと思っていたことを
見直すわけですから葛藤もありました。
しかしデビー先生のお話を聞くたびに
動物に対する私の意識が徐々に変わり
愛犬の見えなかった部分が
少しずつ見え始めました。
本質的なことに意識が向くようになりました。
私が尊敬する動物のプロフェッショナル
デビー・ポッツ先生のレクチャーや
犬・猫とのデモの時間が
今年はどのような展開になるのか
今片とても楽しみです。
一般オーナーさんから動物のプロの方まで
ぜひ多くの方にご参加いただけたらと思います。
7/13(土) 兵庫県尼崎にて
【動物への意識が変わるセミナー】
https://www.bodytalkjapan.com/bodytalker/seminars/bja.php
最近ご縁をいただいて、
流鏑馬で活躍する馬たちに
Tタッチをさせていただいています。
一年の中でも春から秋までは
流鏑馬が多く行われる季節だそうです。
彼らのお仕事は流鏑馬で走ること。
馬運車に乗って長距離を移動し
お仕事をする馬たちに
私ができることで関われるのは
とても有り難いことです。
私がうかがっている牧場は
道産子を中心に在来馬が暮らしています。
隠れ家的なプライベートな場所なので
馬たちの写真は控えますが
彼らは在来種らしい穏やかさがあり
側にいるだけでも癒やされます。
私が初めて流鏑馬を見たのは中学生の時でした。
地元の神社で行われた流鏑馬を見て
的を射る技術や走り抜ける馬の迫力に
それは驚いたものでした。
流鏑馬はもともと神事だそうですが
現在は日本の在来馬を残すために
流鏑馬を広める活動が行われているそうです。
様々な取り組みを通して
馬の素晴らしさを伝えている方々の
ご尽力には頭が下がります。
私も微力ながら馬たちにできることを
今後も続けていきたいと思います。
楽しい時間は過ぎるのが早くて、4日間のワークショップもあっという間です。
今回も多くの馬たちと様々なワークができて、そのどれもが心に残るものばかり。
中でも印象に残っているのが、前回も一緒にワークした写真の栗毛君とのボディーワークです。
この写真は、昨年クラブの方からご相談を受けてワークしたときのものです。
踏み台を怖がる、ゼッケンを載せる時に怖がるなどのお悩みがあったので、ボディーワークとリーディングをしたところ、すごく改善が見られました。
それから4か月が経つのでその後どうしているかが気になってデビー先生にお話したところ、二日目に馬房でのワークのお許しを頂きました。
お昼ごはん中の馬房にお邪魔して、タッチをしてみました。
昨年、反応していた頭の上へのタッチにも特に反応することなく受け入れてくれました(*^^*)
他の部分はどうかなぁ、と前肢に触れてビックリ!
これまでの経験と比較しても驚くほど冷たくて、血流がとても悪いことが容易にわかりました。
前腕から蹄まで、リフトや円のタッチ、オクトパスなど数種類のタッチをすると、興味深いことに、お腹がグルグルッと鳴りだしました。
その後、前肢は徐々に温かくなり、冷えのほとんどが改善しました。
右の蹄冠(蹄の上)だけは冷たいままでしたが、あとは変化を見守ることにして馬房を出ました。
私が前肢にタッチをしたのはわずか数分ずつでした。
翌日様子を見に行くと、蹄冠も含め、肢全体の温度差がなくなり、自然な馬の体温になっていました。
その良好な状態は、私が東京に戻る直前まで続いていました。
馬の蹄には血管が通っていて「第二の心臓」と言われるほど、馬にとっては大切な場所です。
そして蹄の病気になると、最悪命に関わることも。
Tタッチは忙しい人にも最適と先生がおっしゃいますが、愛馬でなくても、クラブで手入れの時間に、できることがあるというのは嬉しいことです。
今回もTタッチの威力と、動物が自ら良くなる力に
感動しっぱなしの4日間でした。
いまから次回開催が楽しみでなりません(笑)
デビー先生、ご一緒した皆さん、そしてクラブの馬たち。
素敵な時間をありがとうございました。
これはビーラインというグラウンドワークです。
ロープを無口の下に通して、二人の人がワンドを使って馬を誘導します。
ロープは固定されていないので馬に力で影響を与えることはできません。
つまり馬は、二人の間を行ったり来たりできるわけで、その動きが蜂のようなのでビーライン(Bee Line)という名前がついたのだそうです。
馬はビーラインで歩くことで身体的なバランス感覚を養うだけでなく、自制心と自信を養うのにも効果的です。
リードする人間自体のバランスや体の使い方が大事になりますが、それと同時にコントロールの意識を手放すのにも役立ちます。
ハイ!
簡単なワークではないので、まずは人間同士で練習してから(笑)
人間:「どう? シグナル伝わる?」
馬役:「止まってって言ってる感じがする~」
などと互いにフィードバックしながらの練習はとても大事だし、勉強になります。
今回は新しいボディーラップも教えていただきました。
前半身と後半身を繋ぎ、腰にも意識を持たせ、腹部にもアプローチできる最強な感じの巻き方です。
テリントンTタッチの創設者、リンダ・テリントン-ジョーンズサンの妹で、リンダさんと一緒にTタッチを開拓してきたロビンさんが考案されたのだそうです。
日々進化するTタッチ、すごいです!
みんな巻き方を忘れないように上から下から斜めから、写真を摂りまくりです(笑)
一年で一番楽しみにしているイベントがやって来ました。
デビー・ポッツ先生による馬のTタッチワークショップです。
今回も那須トレーニングファームにて。
ここは、シドニーオリンピックの日本代表選手、広田龍馬さん(障害馬術)の乗馬クラブで、広田さんご自身もTタッチの大ファン!!
ご自身の馬たちのトレーニングにも日々Tタッチを取り入れています。
ワークショップ初日には、お忙しい中お時間を割いてくださって、Tタッチの素晴らしさをお話してくださり、私たち参加者もデビー先生もワークショップの冒頭から感動してしまいました。
今回も多くの馬たちとワークしました。
Tタッチが素晴らしいのは、とにかく動物を観察して体と心のバランスを整えるためのワークを、動物のフィードバックを確認しながら動物と一緒に行うという理念です。
馬に乗る人達は、乗ったときに馬が扶助にしたがって運動できるか、障害を飛べるか、経路を踏めるか、といったことを重視しがちです。
しかしそれらを可能にするためには、ベースとして馬が地上でどれだけ心身が良いバランスであるか、体全体を柔軟に使えるか、自信と自制心を養っているかを無視することはできません。
そのためのグラウンドワークやリーディング、ボディーワークを、馬の受け入れや変化を見ながら一緒にワークします。
このお馬さん、頸がS字になっているの、わかりますか?
普通に止まると前傾して左前肢の上に頭が来るような、左重心の停止姿勢になってしまいます。
体のバランスは心のバランスに影響します(逆もしかり)。
この馬はいつもTタッチのワークに協力してくれていて随分と変化していますが、以前は神経質な面を見せていたそうです。
私も4か月ぶりに会いましたが、以前よりも落ち着いてバランス良く歩けるようになって驚きました。
今回は新しい道具の紹介もありました。
SURE FOOT という、馬が乗ってバランスを整えるサポートをするものです。
不思議なもので、短時間乗っただけでも馬の姿勢や歩様が変わるんです。
これには参加者もビックリ!
乗って感触を確認したりして皆で盛り上がりました(笑)
3/9~14まで、新潟で開催されたTタッチ・プラクティショナーコースに参加してきました。
ちょうどコースの開催と、年に一度新潟で開催される日本酒のイベントとが重なり、往きの新幹線もホテルも市内も、大勢の人で賑わっていました。
そんな私もお気に入りの日本酒「鶴齢」を買うことを今回の目的のひとつにしていましたが……(笑)
コースでのメインの目標は、「パターン化しがちなセッションを見直すこと」
タッチもラップもリーディングやグラウンドワークも、なんとなくいつも同じになってしまいがちなことが気になっていました。
先生のワークを見ていると、技術面はもちろんですが、本当に柔軟でゆとりがあって本当に学びになります。
そして他の参加者や先輩方のワークにも、たくさんの気づきがありました。
これまでにも習ったツールはたくさんあるはずなのに、道具の取り出し方の偏りがあって、引き出しの奥にしまい込まれたままになっている様々なテクニック。
まずはコンマリさんよろしく、引き出しの中身をすべて取り出して、見直してみることから始めたいと思いました。
最終日には、恒例のクロージングサークルがあります。
全員が輪になって座り、何でも自由に話したあとに、様々な動物の陰影が刻まれたストーンが入っている袋からストーンをひとつ引きます。
動物にはそれぞれメッセージがあって、不思議といま必要なメッセージが届く、まるでおみくじのような儀式で、みんな何のストーンがやって来るか毎回楽しみにしています。
動物のメッセージには、たとえばこんなものがあります。
クマ:内省(沈黙して、目標が現実となるように内なる会話を鎮めてください)
蝶:変化(あなたはある種の変化を受け入れる準備ができています)
ワシ:霊魂(凡庸の先にあるものを見ることを勇気づけ、神との繋がりを見出させてくれるでしょう)
などなど。
私が過去3回で引いたのは、タカ、シカ、キツネでした。
そして今回はなんとエンジェル!
みんな欲しがるストーンですが、今回は縁あって私の手元にやって来ました。
エンジェル。
動物たちの守護天使。
個後やりたい動物関係の新たな活動はあるものの、未知の世界へ飛び込むのは恐れがありますが、ちょっと勇気づけられました。
プラクティショナーコースはまだ続きますが、今回の参加に向けては多くの動物たち(犬、猫、トカゲなど)と飼い主さんにご協力いただき、ケーススタディーレポートも無事に提出を終え、Practitioner-in-Training という認定をいただくことができました。
コースもケーススタディーもまだまだ続きますが、ひとつの節目を迎えました。
また次回に向けて楽しみながら進みたいと思います(*^-^*)
昨日はTタッチ・プラクティショナーコースのためのケーススタディー・セッションをさせていただきました。
ご協力いただいたのはトカゲさんたちです。
3匹のトカゲにセッションさせていただきましたが、写真はそのうちの一匹。
レオパの愛称でも親しまれ、ペットとして人気の「ヒョウモントカゲモドキ」のMちゃんです。
爬虫類へのTタッチはもちろん初めて。
以前クサガメを飼っていましたので、爬虫類的な肌感には慣れてはいましたが、トカゲの生態についての知識は全くなかったので、事前に基本的な生態を勉強して伺いましたが、Tタッチにどんな反応を見せてくれるのかドキドキでした。
飼い主さんが手渡してくれたこのヒョウモントカゲモドキさん。
この種類のトカゲは尾を自切するとのことで、脅かさないように、ストレスをかけないようにゆっくりアプローチ。
最初はその場から逃げたいような行動を示しましたが、タッチを始めると「むむ? 何だコレ?」とでも思ったのでしょうか、とりあえずその場にじっとしていてくれました。
皮膚が柔らかく、よく動くので、圧が強くならないように気をつけて、体のどの部分には反応して、どこは受け入れてくれるのか……
いままで犬や馬などの哺乳類にタッチする機会しかありませんでしたが、細胞を持つ生き物なら、どんな種の動物でも作用するTタッチ。
(※Tタッチはマッサージとは異なり、非習慣的な刺激(=情報)が神経系統及び脳に作用し、細胞一つひとつが活性化します)
それを実感させてくれたのが今回の「ヒョウモントカゲモドキ」でした。
しばらくその場でタッチを受け入れてくれたMちゃん。
最後にはリラックスしてくれたのかタッチの最中に排泄してくれて、その反応にちょっとホッとしました。
普段接している動物とは違う種類の生き物はとても勉強になると同時に、ヒョウモントカゲモドキが思っていた以上にとてもかわいくて、私の方がすっかり癒やされてしまいました。
レオパさん、ご協力いただきありがとうございました。
(この日の動画、後日アップします~♪)
Tタッチのアプローチのひとつに「ボディーラップ」があります。
体に巻く伸縮性のバンテージで、包帯のように見えるので「怪我?」とよく聞かれますが、いえいえ、そうではないのです。
百聞は一見にしかず、で自分に巻いてみると効果を実感……となるのですが、動物に自ら意識を持ってほしい体の部位に巻くことで、意識が弱くなっていた体の部分を再認識し、動く際に体を上手に使えたり、脚の運びが改善したり、恐怖心を和らげるといった効果が、ボディーラップにあります。
また、この写真の馬と同様多くの馬が首に緊張をためていますが、その緊張の緩和にも有効です。
この黒鹿毛さんは、馬場に出るととてもよく運動するそうですが、馬房に人が近づくと過剰に反応したり口が出たりするとのことで、クラブの方からご相談がありました。
まずはデビー先生による馬の顔相の観察です。
耳の形や付き方、額の幅、鼻面の形、口の形や長さ、鼻などに、その馬の性格が表れるので、それらを総合的に見てワークを行います。
また、昔から「名は体を表す」と言いますが馬も例外ではなく、名前の持つイメージや意味合いに馬の性質が近づくのだそうです。
名前を聞いたときに私たちが思い浮かべるイメージのエネルギーが動物に伝わるとのこと。確かに犬にも同じ事が言えるように思います。
なので、イメージが怖かったりネガティブだったりする場合は、改名するか、それが難しい場合はだれもが笑顔になるようなニックネームを付けてあげるとよいそうです。
命名って、大切ですね。
この栗毛さんも顔相をみながら、気になる行動にどうアプローチできるか、ワークに協力してもらいました。
彼は、脚立(踏み台)を怖がるという問題があり、観察をすると平均的な馬と比べて目が引っ込んでいるので、通常より視野の制限があることが想像できました。
実際、頭の周辺に近づくものに対してかなり過敏に反応します。
デビー先生の誘導で全員で観察して、この栗毛さんに何が有効か考えました。
私も中に入ってワークさせてもらいました。
タッチのアプローチから入り、頭部にラップを巻いて、自分の体の境界線を再認識させて、境界線の外側の世界には過剰に反応する必要はないことを知らせます。
次に馬場に出てグラウンドワークを行いました。
刺激に対して、過剰に反応する必要のない「許容範囲」を少しずつ広げて、脚立に近づけるように段階的にワークしていきました。
最終的には、当初お悩みだった状況をクリア!
この栗毛さんも自信が持てたことと思います。
私もこのワークの時にリーディングをさせていただき、とても勉強になりました。
これは、私のリクエストでやっていただいたもので、馬がハミをどのように感じているのかを人間が体感するワークです。
もうこれを体験すると、随伴の大切さはもちろん、力強く手綱を使うことは出来ないと実感します。
もっともっと拳を柔らかくしなくてはと大反省(>_<)
頭絡があればできるので、とてもオススメの方法です。
こちらは、先輩プラクティショナーと偶然おそろいのTタッチポロシャツだったのが嬉しくて、ツーショットをお願いした、番外編写真です(笑)
あっという間の4日間のワークショップ。
まだまだ書き尽くせませんが、今回WSで学んだことを日頃の馬との時間や、動物たちとの時間にいかしたいと思います。
また来年3月の開催が今から楽しみです。
Tタッチ・プラクティショナーコースから帰宅して中一日。
今度は那須へ向かいました。
目的は、「那須トレーニングファーム」で行われた馬のTタッチ・ワークショップへの参加です。
ここは、シドニーオリンピック日本代表の広田龍馬さんの乗馬クラブです。
広田さんもTタッチが大好きで、ご自身の馬にもTタッチを行っているそうです。
今回も広田さんやスタッフの皆さん、クラブの馬たちの協力を得てワークショップがスタートしました。
私が持っているのは、「ワンド(杖)」というもので、馬のTタッチには欠かせない道具です。
ドレサージュ用の白い長鞭ですが、グリップの所も全部白く、これを使ってリーディングします。
長鞭は通常、騎乗時に副扶助として用いますが、このワンドの使い方はちょっと異なります。
方向を示す、馬を褒める、馬の体に意識を持たせる、停止の合図などに使います。
白という色にも意味があって、馬が認識しやすいのだそうです。
写真の栗毛さんもちゃんと見ていますね。
このワンドと、Tタッチリードを使ってリーディングやグラウンドワークを行います。
この写真、馬に乗る方は私が右側からリーディングしているのにお気づきのことと思います。
これを乗馬クラブでやったら、すぐに先生に呼び止められますよね。
馬はいつも左からリーディングされて、左から乗られるので、体のあらゆる部分のアンバランスを生じやすいそうです。
この馬も左加重で、左前肢に上体を乗せるように立ち、首は左にカーブしていました。
馬も犬も、人間がいつも同じ側だけに立つと、その反対側の腰を痛めることが多いので、グラウンドワークで体のバランス改善を促すことはとても大切になってきます。
馬の体に巻いている包帯のようなものはボディーラップです。
伸縮性のあるバンテージを巻くことで、馬自身に自分の体を認識させ、体全体をちゃんと使えるように促します。
またボディーラップは反応性の高い馬に、過分に反応しなくてもいいことを体感させるのにも有効です。
Tタッチのグラウンドワークでは、横木で組んだラビリンスを使います。
体の柔軟性やバランスを養い、さらには自制心や自信を持たせることにもラビリンスは威力を発揮します。
「こんなの、効果あるの?」と思うかも知れませんが、脚の運びや姿勢、表情など、馬がどんどん変わっていくのがわかります。
これまでのWSでも驚くような変化を沢山見てきて、まるで魔法のように思えましたが、ワンドの名前の由来も、魔法の杖のようだから「鞭」ではなく「ワンド(杖)」と呼んでいるのだそうです。
ワンドとTタッチリードでのリーディングワークはソフトなシグナルでもちゃんと馬に伝わるので、馬とのコミュニケーションを実感できる魅力的なワークです。
リーディングしている写真を撮っていただくと、私はにやけていることが多いのですが、本当に楽しくて楽しくて、それがそのまま顔に出ているようです(笑)
普段クラブでのリーディングも立ち位置や体の使い方は意識していますが、Tタッチリードとワンドを使ったリーディングは出来ないので、ワークショップでのこの時間はまさに至福の時です。
後半に続きます。
アップが遅くなりましたが、11月に山中湖で行われたTタッチのプラクティショナーコースに参加してきました。
今回はコース3回目。
開催場所は今年も山中湖ドッグリゾートWoofです。
昨年泊まった部屋は山中湖側だったので富士山が見えず、今回は奮発して(笑)、富士山側の部屋を予約しました。
ところが連日の曇り空や雨模様で、なかなか富士山がお出ましにならず、この写真はようやく晴れ間がのぞいた時のものです。
今回も初めての犬のセッションの見学や、様々なワークを行いました。
昨年に引き続き、シロハラインコのセッションを見せていただきました。
鳥の反応、とても興味深かったです。
この鳥さん。
前回に比べて心の面でも豊かになったような印象で、飼い主さんとの絆も更に深まっているように感じました。
私は普段、犬と馬にしか関わる機会がないので、様々な動物へのセッションはとても新鮮で勉強になります。
館内にはクリスマスツリーが飾られていたのでドルチェとツーショット。
二人の目線がバラバラで、なかなか同時にカメラ目線になりませんでした~(笑)
この翌週に13歳になったドルチェ。
実は出発の前の週に少々体調を崩し、一緒に行けるか心配していました。
幸い回復に向かっていたので同行させて、デビー先生や先輩プラクティショナーの方からも、ドルチェのためにできるワークを教えていただきました。
滞在中もケアを続け、おかげさまで元気に6日間を過ごすことができました。
富士山パワーもたっぷり頂いて、週発前よりも元気になって帰ってこられてホッとしています。
プラクティショナーコースも(順調に行けば)これで折り返しとなり、少しずつ卒業試験が視野に入り始めて気持ちも引き締まります。
次回のコースは来年3月の新潟です。
宿泊施設の関係でドルチェを連れて行けないので、また来年のWoofに一緒に行けるように、元気に過ごしたいと思います。
さて、山中湖から帰って翌々日からは、Tタッチの馬WS in 栃木です。
先月のことになりますが、人生二度目の岐阜に行ってきました。
今回の目的は、岐阜市内の乗馬クラブで行われた馬のためのテリントンTタッチ・ワークショップです。
講師は、Tタッチ・プラクティショナーコースでも教えていただいている、デビー・ポッツ先生です。
今回、三年ぶりに再会できた方たちや、同伴動物のTタッチ・プラクティショナーコースのお仲間(先輩方です~)も多数参加されてて、和気あいあいの楽しいワークショップでした。
2日間クラブの馬たちと様々なワークを行いましたが、特に印象に残っているのが、写真の黒鹿毛くんとのワークです。
彼はとてもとても敏感で反応性が高く、好ましくない刺激に対しては素早く口が出るそうで、噛みつきへの対処をしながら連れてこられました。
引き綱も、いままで見たことがないような頑丈な作りで、参加者の緊張もちょっと高まります。
デビー先生が、「この馬へワークしたい人?」と尋ねると、私を含めて三人が手をあげました。
Tタッチ・プラクティショナーコースで一緒のYさんもそのうちのひとりでした。
三人で交代してタッチしましたが、最初のうちは、手の位置や立ち位置や、ほんの少しの変化に反射的に口が出ていました。
今までどんな経験をしてきたのだろうと考えると心が苦しくなりますが、気持ちをニュートラルにして観察を続けます。
初めはなかなか落ち着かずに敏感に反応していましたが、興味深いことに、タッチを背から後半身に移していくと反応が静かになりました。
さらに腰にタッチをすると口が大人しくなって頭も下がり、仙骨部と尻尾の付け根のタッチで、頭部と頸がさらにリラックスして目からも緊張が抜けていくのが見て取れました。
そしてYさんが尻尾へのワークを行うと、顔や体から更に緊張が抜けて目もトロンとして、開始前とは別馬のようになり、クラブの方も、今までこんな様子は見たことないと喜んでおられました。
彼がこのクラブへやってくるまでには、人との関わりにおいて彼の反応性と関係する背景があり、その結果「噛みつき馬」のレッテルを貼られたそうです。
しかし、生まれたときから噛みつく馬など一頭もいないはずです。
人間の望ましくない対応が馬の好ましくない行動を引き起こし、問題行動を作り出してしまうのでしょう。
一般的に、噛みつきなどの行動(=表現)だけに目を向けると、力や道具で止めさせることに意識がいきがちですが、馬自身も噛みつきたくて噛みついているわけでないでしょう。
ましてや、人間を脅かしたり、仕返しをしてやろうと思ってやっているわけではないはずです。
私がTタッチを好きな理由のひとつは、動物たちをそれぞれ唯一無二の存在として向き合い、先入観なく観察し、気になる行動や問題があれば、力や嫌悪刺激で強制するのではなく、どうしたらともに安全に調和的に関われるか、その可能性を動物と一緒にさぐるところです。
今回三人でワークしたこの馬も、様々なシグナルで意志を伝え、コミュニケーションしていることに気づきます。
その言葉無き対話を通したワークは、私たちが彼らに何かをしてあげるのではなく、動物との共同作業であることを、今回のワークでも実感させてもらいました。
ワークショップ終了後、一緒にワークした仲間と、この学びの機会を与えられた喜びを共に味わい、感動を共有しました。
本当に動物からは学ぶことばかり。
癒やしたいと思いつつ、癒やされてばかりです。
猛暑の中でのワークショップでしたが、動物を愛する仲間と一緒に参加できたこと、そして馬たちがつきあってくれたことに心から感謝です。
この学びをクラブの馬とのコミュニケーションに、そして今後の馬や動物たちとの関わりに活かしたいと思います(*^-^*)
今月は何やら月初から忙しくて(確定申告もあったりして)乗馬に行けず、ちょっとフラストレーションを感じていましたが、先日久しぶりに一日休みが取れたので、すかさずお馬のもとへ♪
三週間ぶりの騎乗は、まだ6歳の若きイケメンホース。
目はクリッと愛らしく、いつも大人しくて馬装にも協力的で、反撞も小さくて初心者に好かれるタイプですが、鞍上でちょっとでもバランスを崩して手綱に頼ったり、座る位置が悪かったりするとすぐに常歩に落ちたり止まったり。
過去2回の騎乗でも毎度デリケートな反応で、45分のレッスンを円満には乗せてもらえず、拳が固いと即座に反応し、手綱が詰まると耳をキューーっと絞って首を上げてしまう。
配馬表を見ると、先月まで付けていたマルタンガール(馬が頭を上げるのを防ぐ補助具)をめでたく卒業したようで、嬉しい反面ちゃんと乗れるかちょっと緊張しました。
しかしこうしてブログにアップしたのは、「今日はうまく乗れました!」という明るいニュースではなく、引き馬の感触が前と違うかも……、という印象を備忘録的に書き留めておきたかったという訳なのです。
というのは先日、ある馬の講習会で正しい引き馬の仕方(仔馬をどう引き馬に慣れさせるか)をビデオで見る機会があり、それを見て、以前参加した馬のTタッチ・ワークショップで、引き馬の際に人間の立ち位置と誘導のための体の使い方を教わったのを思い出し、さらに今月の新潟のセミナーで勉強し直した動物のリーディングを思い出し……
つまり自分の引き馬がダメダメである、と思い至ったという訳です。
実は前にこの馬に乗ったときも、繋ぎ場から出てはくれたものの、乗り場に行くまでに何回も止まってしまったり、乗り場で停止してくれなかったりと、下手なリーディングのせいで馬にストレスをかけてしまったことがありました。
そこで今回はTタッチで習ったことを思い出して、意識して引き馬を試みました。
ワンドがあればよいのかもしれませんが、贅沢は言えません。
立ち位置は馬から離れすぎず、近づきすぎず、体の向きを考え、手足が先に行くのではなく体の中心から誘導。
目線は行く方向へ。
そして、馬が前進するときは重心を前に移動させてから前肢を一歩出すのでそれを待つ(これは新潟のヒツジ先生から教わったこと)。
すると手綱を引っ張らなくても、もちろん鞭を使わなくても、すぅーっと滑り出すように繋ぎ場から出て、そして程よく並んで歩いてくれるではありませんか~(^o^)
デビー先生がいつも、「ダンスするように」と表現されるのですが、すっかり疑似体験した気になりました~ヘ(^o^)/
引き馬についてクラブで丁寧に習う機会はあまり多くないと思いますが(足踏まれないようにとか、道草食われないようにとか、馬繋場に入れるときは立ち止まらないようにとか位?)、引き馬(リーディング)には馬(動物)とのコミュニケーションの基本があるように感じています。
次回も、そして他の馬でもうまくできる自信は全くありませんが(笑)、とても勉強になった今回のリーディングでした。
お馬先生、ありがとうございました(*^-^*)
先日新潟でテリントンTタッチのプラクティショナーコースが開催されました。
前回の山中湖開催に続き、2度目の参加です。
新潟駅からすぐの国際ペットワールド専門学校をお借りして、デビー・ポッツ先生とローレン・マッコール先生のもと、6日間みっちりTタッチの勉強をしてきました。
今回は専門学校にいる学校犬もワークに協力してくれました。
写真にも少し写っていますが、木材などを床に置いたり、迷路のように組まれたラビリンスを用いたリーディングは、上手に歩くことが目的ではありません。
目標物を利用してゆっくり歩いたり、止まってバランスをとったりすることで、動物たちは集中力が高まったり自信を付けたり……
一見単純そうなのですが、その効果はとても大きいのです。
Tタッチのグラウンドワークは、動物にコマンドを与えることも、力を使うこともありません。
呼吸を止めず、リードを柔らかく使いながら、自分の体の使い方や立ち位置を考え、体の中心から誘うように導きます。
このリーディングワークは短時間でも、犬の姿勢、足の運び、反応や体のバランスが違ってくるのがわかります。
Tタッチは人間が動物に施すものではなく、動物と一緒に行うものだと教わりますが、このワークも動物とうまく呼吸が合ったときはとても嬉しいものです。
今回は、市内にある動物ふれあいセンターでの実習もあり、同伴動物の他に、ヤギやヒツジ、そしてなんとアルパカにもタッチをすることができました。
ペットと異なり、触れられることに慣れていない動物に対しては、注意深く観察しながらお互いに安全を確認しつつ距離を図ります。
アルパカに触れるのは初めてでしたが、触れられることをあまり好まないと聞いていた彼らの反応は、三者三様ならぬ四者四様。
好奇心が強い子もいれば、気にはなるけど他の子の背後で様子をうかがうタイプ。
何してるの? といった感じでコミュニケーションをとってくる子etc.
その反応は面白いほどに異なり、それぞれの個性を垣間見ることが出来ました。
種を見るのではなく個を見る大切さをまさに再認識!
また一年後が楽しみです。
それにしても先生方のアプローチは本当に素晴らしく、すっかり見とれてしまいました。
今回も、素晴らしい先生方のもとで勉強できたことに、そして動物たちに感謝です。
コースで得たことをしっかり吸収して身につけられるように、次回開催まで練習と復習を頑張らねばです~(^^)
先日、山中湖のwoofドッグリゾートで開催された同伴動物のTタッチ・プラクティショナーコースにドルチェと参加してきました。
6日間×6回で構成されているこのコース。
複数回参加している受講者の中、初回参加は私ひとり……
「ついていけるだろうか?」
初めての場所。初めての人達。
緊張の面持ちで迎えた初日でしたが、隣にドルチェがいてくれて、しかも私より落ち着いていて、なんだかとても心強かったです(笑)
セミナーの講師は、デビー・ポッツ先生とローレン・マッコール先生です。
ローレン先生にお会いするのは初めてですが、アニマルコミュニケーションでも活躍されている、日本ではよく知られている方です。
デビー先生と初めてお会いしたのは2015年11月。那須野が原で開催された4日間の馬のTタッチワークショップでのことでした。
馬へのタッチやボディーラップで自分の体への意識を持たせるだけで、強制せずとも姿勢や歩様が変わったり、400~500キロもある馬をリーディングするのに全く力が必要ないことなど、4日間が驚きと感動の連続だったことは今もよく覚えています。
今回のコースは同伴動物へのTタッチなので、大型動物とのワークはありませんでしたが、参加者が連れてきていたインコや猫などもデモに協力してくれたり、ウサギのTタッチについての発表があったりと、普段犬と馬にしか接していない私にはとても良い勉強になりました。
Tタッチは犬や猫、人間などの哺乳類だけでなく、神経システムを有する全ての動物に行うことができるので、両生類や爬虫類、動物の爪や蹄、毛など、細胞全てに行うことができます。
プラクティショナーコースは始まったばかりで、これから学ぶことや覚えることがたくさんあり、そして経験を積んでいかなくてはならないことも山ほどありますが、デビー先生が最終日にこんな言葉をかけてくださいました。
「色んな種類の動物とワークしてみて。そして楽しんでやってみて!」と。
さすがデビー先生! よく見ているなぁ、と思いました。
新たな勉強を始めるとひとつのことに没頭してしまい、楽しんで習得することが苦手な私に、すごく大事なメッセージをくださいました。
さて、あっという間の6日間でしたが、最終日にはアニマルストーンをいただくのが恒例だそうです。
袋の中に様々な種の動物の陰影が掘られたストーンが入っていて、何がもらえるかは誰にも分からないおみくじ方式。
そして私の手元にやってきたのは「イーグル」
高いところから広い視野で見る、という意味があるそうです。
なるほど~、全てにおいて偶然はないのですね(*^-^*)