メディカルアロマと精油

 


◆フランス式のメディカルアロマテラピー


アロマテラピーという言葉は、いまから約90年ほど前にフランスで生まれました。

それ以前にも精油は昔から様々な用途に利用されていましたが、治療特性が認められて精油の研究がすすめられたのがフランス式アロマテラピーの始まりです。


日本では最初に、香りで癒されるイギリス式のアロマテラピーが紹介されたために、フランス式のメディカルアロマのスタートはそれより少し遅れますが、ストレスや不眠、アトピー、内科系疾患など、いまでは様々な症状の改善にもその効果が期待できるとして認知され、医療現場や動物のための獣医療においてもメディカルアロマによる体に優しい治療が広まりつつあります。 



 

◆家庭の薬箱としてのアロマ


わが家ではわたしの留守中でも火傷などの救急時に精油を正しく使えるように、使い方のメモと必要な精油を小分けしたもの一式がリビングに備えてあり、家族のアロマ救急箱となっています。

 

また講座にいらしてくださる方には、メディカルアロマは家族とペットのための「家庭の薬箱」とご紹介していますが、ひともペットもメディカルアロマを取り入れることで薬に依存しない生活を提案しています。

 

メディカルアロマはスキンケアとしての美容から家族と愛犬の体調管理まで、とても頼れる存在ですが、折角メディカルアロマを学ぶのなら、精油の成分とその薬理作用をしっかり学んで、香りの癒しだけではない、代替医療としての効果的なメディカルアロマを実践していただきたいと常々思っています。

 


◆無農薬有機栽培はすべて安全?

 

メディカルアロマテラピーでは精油の薬理作用を利用するので、精油にどのような成分が含まれているかが確認できる「成分分析表」が付いていることはもちろんですが、農薬が使われていないことも必須条件です。

 

メディカルアロマの精油を得るための植物は、自生のものか、精油メーカーが栽培農家との契約で農薬を使わずに育てられたものを使用します。

 

しかし、栽培農家が農薬を使用しないから安全というわけではありません。

 

近隣の農家や山、ゴルフ場などで農薬が散布されると風に吹かれて飛んできて植物に付着します。

精油は大変高濃度な抽出物ですから、そのような環境下で生育した植物の精油からは農薬が検出されてしまいます。

 

また、植物の刈り入れのたびに成分や農薬混入の状況は異なりますから、成分の分析は採油ごとに行われないと、手にした精油の安全性は確認できません。肌に塗ると経皮吸収されて、表皮から血管の通っている真皮まで届いて毛細血管から成分が体内に取り込まれます。

 

わたしは農薬が検出限界0.05ppmで混入が認められなかったものを使用していますが、この点は精油に添付されている成分分析表でぜひ確認したいところです。

まして、小さなお子さんやペットなどに用いる場合はなおさら気を付けてあげたいですね。

 

 

◆1滴の大切さと植物への感謝

 

精油を採油するためには「水蒸気蒸留器」という装置に大量の植物を入れて、水蒸気で精油成分である芳香分子を得るのですが(※)、実は精油1滴を得るためには大量の植物を必要とします。

(※他に冷式圧搾法や溶剤抽出法などもあります)

 

たとえば女性に人気のローズ精油は、バラの花80~100個を集めてやっと1滴の精油が得られるほどなのです。

 

精油がとれる植物は一年草から大きな樹木まで、その種類は多岐にわたりますが、どの植物も育つまでには長い月日がかかります。

そして無農薬で育てるためには栽培農家のたくさんの手間がかかっています。

 

 

精油にはわたしたちを癒し、元気づけてくれる豊かな香りだけでなく、非常にすぐれた薬理作用がありますが、それは植物自身が生命を守ったり子孫を増やすために行う代謝活動の賜物です。

 

アロマテラピーがとても身近になりましたが、ボトルから落ちるひと雫が自然からのギフトであることに感謝しながら、1滴々々を大切に使いたいですね。

 

 

 

 

 

 


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