夏は甘酒

麹菌が好む温度を保って8時間。菌が米の澱粉を糖化して「甘酒」となります。
麹菌が好む温度を保って8時間。菌が米の澱粉を糖化して「甘酒」となります。


昨夜大阪でのセミナーを終えて東京に戻りました。

日中は空調が効き過ぎるくらいの部屋で過ごしていたために真夏日と聞いてもあまりピンと来なかったのですが、東京に戻って一日自宅で仕事をしていた今日は、暑さに身体が驚いています。

 

わが家の夏バテ防止法のひとつに「甘酒」があります。

秋田から麹を取り寄せて作っていますが、酒粕と砂糖で作られた甘酒と区別するために麹甘酒などともいわれ、こちらはアルコール分を含まないので小さなお子さんもペットも一緒に飲むことが出来ます。

 


冬は風邪をひきやすいので免疫力の低下を実感しますが、実は免疫力が一番低下するのは夏といわれています。

冷たいものをとりすぎたり、エアコンの効き過ぎた部屋で長時間過ごしたり、寝苦しさで質の良い睡眠をとりづらいことも体調を崩す一因になりますね。

 

免疫力が低下すると腸内環境が変化(悪化)して体調を崩しやすくなりますが、平均寿命が50歳にも満たなかった江戸時代には、伝染病や食中毒などによる夏の死亡率は高く、夏を越えることはとても大変なことだったそうです。

 

当時この状況に一役買ったのが「甘酒」で、夏になると町には甘酒売りの声が響き、江戸の庶民の栄養ドリンクとなっていました。

甘酒はぶどう糖やアミノ酸、ビタミン類が豊富に含まれていることから「飲む点滴」とも呼ばれていますが、栄養価を測定する機械などなかった江戸時代、幕府は低所得者の健康のために甘酒一杯あたりの価格に上限を設けていたことからも、経験的にその効果を認めており、栄養価の高さがうかがえます。

 

甘酒は現代のわたしたちには冬の飲み物のイメージがありますが、俳句の世界では夏の季語。

江戸時代、夏越えが容易でなかったそんな背景を考えると納得ですね。

 

わが家も麹甘酒を作るようになってから早や二年が経ちます。

ちょっと時間はかかりますが、疲れが残りにくかったり、腸の調子が良くなったりと、体内で穏やかに、でもしっかりと効果が発揮されているのを実感しています。