皮膚疾患とシャンプー療法(2)

 

 

前回に引き続き犬の皮膚疾患とシャンプー療法のお話です。


 

〇一種類のシャンプーで体全体を洗うのではなく使い分けも必要
〇皮膚疾患のある子にずっと使い続けられるシャンプーはない


 

このふたつのポイント、健康な人(犬)にはあまりピンとこないことですよね。

 

私たちが髪を洗うとき、髪質に合わせてシャンプーを選んだり、汚れ具合で二度洗いをするということはありますが、「頭頂部と側頭部を違うシャンプーで洗っている」「右と左で使っているシャンプーが違う」という話はまだ聞いたことがありません。

私たちがこの話にピンとこないのは、「シャンプー=洗浄」と考えているからなのでしょうね。


皮膚疾患用のシャンプー剤に配合された成分には、抗菌、抗炎症、抗掻痒、抗脂漏など、症状を抑えるための薬理作用があるので、皮膚疾患のあるわんちゃんにとってシャンプーは「洗浄+治療」であり、そのために「症状により部位ごとの使い分けが必要になることがある」というのが上記ポイントのひとつ目になります。


そして、薬効をもたせたシャンプーは、症状が変化(改善または悪化)したらシャンプー剤も替えることが大切で、「症状が治まった=このシャンプーはうちの子にピッタリ」と思って使い続けてしまうのは間違いだというのがふたつ目のポイントです。


わたしが作っているドッグソープも、いろいろなわんちゃんにモニターをしてもらうと、バッチリの子もいれば、皮膚・被毛がパサつきがちになってしまう子、すぐにかゆかゆになってしまう子など、反応はまちまちです。
次からは洗い上がりを見て、オイルの配合やディスカウントなどを調整していますが、皮膚疾患のあるわんちゃんは様々な症状が自分の皮膚の上で、もっと極端な状態で現れてしまうということなので、シャンプーの使い分けの大切さも納得できます。


「洗う」という角度から皮膚疾患について勉強する今回のセミナーでは、手作り石鹸と薬用シャンプーとの上手な使い分けや、メディカルアロマでできるスキンケアについて、新たに考えさせられることがたくさんあり、その子の状態を見て、部位ごとに都度最適なケアをしていくことの大切さを改めて感じました。



皮膚疾患のお話は、まだまだ続きます^^