馬のTタッチ⑦ ボディラップ(後肢のCandy Cane)

体全体に巻くフルラップに、脚へのラップ(Candy Cane)を足しました
体全体に巻くフルラップに、脚へのラップ(Candy Cane)を足しました

 

馬のテリントンTタッチのお仲間と

練習会を開催しました。

 

馬の心身の課題を観察し、どんなサポートが できるか皆でアイディアを出しながらワークしました。

 

写真のM君は、

 

『左後肢の飛節近くに大きな傷跡があり

脚が曲がりにくい』

 

ということで、ボディラップを使ってみることにしました。

 

 

 

ボディラップにはいろいろな太さがあります
ボディラップにはいろいろな太さがあります

 

ボディラップはTタッチのツールで

伸縮性のあるバンテージです。

 

様々な部位に巻いて使いますが

その目的や効果は

 

・姿勢の改善

・体の連動

・意欲の向上

・緊張を軽減

・落ち着きと集中力の向上

・恐怖心の軽減(環境、音、空間等)

・神経的機能不全の改善

・装蹄時のバランス、etc.

 

使い方の工夫次第で様々な効果が期待できます。

 

 

今回はM君に、後肢の使い方を意識し

バランス良く自然に脚を運べるように

サポートを試みました。

 

 

 

 

 

まずはボディラップを段階的に巻いて

歩様の違いを観察しました。

 

 

・フルラップのみ

・傷跡のある左後肢にキャンディ巻を追加

・右後肢にもキャンディ巻を追加

・両後肢を繋ぐラップを尻の上に渡す

・フルラップ以外を外す

 

 

 

 

段階的な変化はわずかな印象ですが

尻に渡したラップを巻いた時に

両後肢だけでなく体全体がつながった

ような一体感を感じました。

 

リーディングしていた方が違いを

シェアしてくださいました。

 

 

 

『左後肢が曲がりにくいために回転時に

左後肢を軸にして右後肢を大きく開いて左を

かばって歩いていた。

 

リーディングすると両後肢が開くので

前進しながらぐらつく感じがある。

 

段階的にラップを巻いていくうちに

左後肢は変わらないが両方を均等に

使えるようになり、速度はゆっくりになり

ブレが少なくなった』

 

 

 

 

ボディラップによってインプットされた感覚情報を処理中のM君
ボディラップによってインプットされた感覚情報を処理中のM君

 

ボディラップのワークは午前中、

トータルで30分ほどでした。

 

昼飼を挟んで午後、M君に

馬場に出てもらうと、後肢が

安定していて、ボディラップ前の

気になる歩様は改善していました。

 

ボディラップは神経回路を介して

情報が脳に伝わり、感覚情報が

脳で処理されると脳は筋肉に

信号を送り、姿勢や運動に変化を

もたらします。

 

なので、ボディラップを外した

後もその効果は持続するのです。

 

 

 

ボディラップはテリントンTタッチの

安全でパワフルなツールで

身体だけでなく心のバランスも

サポートする心強いアイテムです。